防災の心得「熱中症予防」
【熱中症予防と熱中症警戒アラートの活用】
1.熱中症はどうして引き起こす?
普段わたしたちの身体は暑さで体温が上昇すると、汗をかいたり皮膚温度を上げたりすることで外に熱を逃がして体温を調整していますが、身体に熱がたまってしまうことで熱中症を引きをおこします。
熱中症の起こる仕組みには「環境」「身体」「行動」の3つの要因が関係しています。
また、脱水症状に気づきにくい高齢の方、体温調節が未発達の乳幼児、肥満傾向の方、持病のある方は特に注意が必要です。
2.熱中症の症状と対処法
熱中症で救急搬送された方の発生場所別にみると、住居が約4割、次いで仕事場、屋外、道路と続きます。これらの傾向から熱中症は炎天下の屋外だけで起こるわけではなく、屋内で多く発生していることがわかります。
熱中症の症状は、筋肉痛や筋肉のけいれん、頭痛や吐き気、体のだるさなどが挙げられ、また、体温が高い、真っ直ぐ歩けない、自分で水分補給ができないなどの症状があれば重症の可能性があります。
このような症状がみられたら、まず、日陰などの涼しい場所に避難、シャツのボタンやウエストのベルトを緩めたりして風通しを良くします。氷のうや保冷剤、濡らしたタオル等で首や脇の下、太ももの付け根など太い血管が通るところを冷やしましょう。
意識がない、様子がおかしい場合はすぐに救急車を呼びましょう。
3.熱中症にならないために
◆屋外での予防
涼しい服装で外出、日傘や帽子を使用して日差しを遮るようにしましょう。
暑い日の外での活動や運動については無理をしないようにし、こまめに休憩を取りましょう。
こまめな水分補給を心がけ、汗をかいたら適度な塩分も摂取しましょう。
◆屋内での予防
温度と湿度が図れる温湿度計を置き、暑さを感じなくても湿度が上がったら冷房を使用しましょう。
部屋の風通しを良くするため換気をしたり、扇風機を上手に使用しましょう。
カーテンやすだれで直射日光を遮ることで室内の温度上昇を防ぐこともできます。
◆水分補給の飲み物について
のどの渇きを感じなくてもこまめに水分補給をしましょう。
なお、コーヒーや紅茶、エナジードリンク等、カフェインを含む飲み物は利尿作用があり、水分補給には不向きです。
水や麦茶、スポーツドリンクが良いでしょう。
4.マスク着用と熱中症警戒アラートについて
現在マスクの着用は個人の判断になっていますが、熱中症予防対策として、屋外ではマスクを外しましょう。
熱中症警戒アラートは環境省・気象庁が提供している「暑さへの気づき」を呼びかけるものです。
メールやLINEを登録すると情報が届くので、事前情報として活用するのも良いでしょう。
5.まとめ
熱中症は気温や湿度などの「環境」、体調や持病などの「身体」、屋外作業などの「行動」の3つの要因が関係して体温調整がうまく働かなくなり起こってしまう症状です。
屋内での発症率が高く、のどの渇きや暑さに気づきにくい高齢の方の熱中症が心配されます。同時に、体温調整が未発達な乳幼児、肥満傾向の方、持病のある方なども熱中症になりやすく、家族や身近な方は、水分補給や、夜間を含むエアコンの使用を促すなど、声がけをすることも熱中症予防につながります。
家族、地域皆さんで熱中症を予防しましょう。